かかびろぐ

大学3年生から書いてます

盆の日記

1.

世間話くらいならするが、人間関係に関する話は昔から苦手で仕方がない。

昨日実家に帰省した。母から地元の近況報告を聞く。「○○さんが隣のマンションに引っ越してね」「あなたの同級生の△△ちゃんっていたじゃない?あの子がね」「お隣の‪✕‬‪✕‬くんが就職して」

反応に困るから僕はボケーッとした顔で流している。

 

2.

僕が昔過ごしていた部屋はまるごとリフォームされてリビングに吸収された。あのとき使っていた椅子も机もベッドも全部捨てられてしまった。かつての逃げ場がなくなってしまった。

 

3.

僕の普段の生活を根掘り葉掘り聞かれるのもあまり心地よくない。僕の中ではセンシティブな話題で奥底に閉まった出来事も顛末を知らないからずかずかと土足で入ってくる。ぜひやめていただきたい。

 

4.

のんびり過ごしたかったが久しぶりに帰るとそうはいかないらしい。僕の帰省は盆と正月、年二回のイベントだから仕方ないのかもしれない。まあそれはそれでありがたいことだし申し訳ないから、「孝行のひとつなのだ」と自分に聞かせて、あちこち連れ回されることを覚悟する。

たしかに僕は色々と世話をしてもらった割には何も孝行していない。青いままで、ガキのままで、それがかっこいいんだと強がっている。

 

5.

「お姉ちゃんがね」と母が話す。僕の姉のことだ。この前急遽友達を連れてきたらしい。ずいぶんと仲良くなったんだね。数年前までは連絡を全く取らなかったほどなのに。

今となっては僕以外は全員地元に住んでいる。ひとりだけすぐに帰ってこれない場所にいる。

1週間ほど前に夢を見た。実家から去年住んでいた場所に帰ろうとする夢だった。だから目が覚めたとき僕はどこにいるのか全く理解できなかった。ああ、異動したんだっけ。ずいぶんと離れたところに来ちゃったな。

僕が期待していた居心地はもうこの世界にはないのかもしれないな。