3年ほど前に福島県の浪江町に足を運んだ。そのとき「復興なんて始まってすらない」と感じた記憶がある。止まった時計、瓦礫であふれた建物、人は全くいなくて、津波が来たと思われる部分は文字通り何もなかった。ただ片付いた空間がひろがっていた。それでも、きっとここまで瓦礫を処分するのにも有志の方々が少しずつ少しずつ時間をかけて進めてきたのだろう。妙に綺麗な町は少しばかりの重機の音がするだけだった。何もなかった。
先ほどテレビをつけたらNHK以外はどれもバラエティ番組だった。少し前までは特番がよく組まれていたのに。風化しつつあることを痛感した。しかし、コロナ禍になってしまった今も避難生活を続けている人は想像より遥かに多い。
11年前の今日、僕が土木工学を志したきっかけが生まれた。4月からこの志にもとづいた地に身を移す。初心忘るべからず、自分の中では風化させずにいたいと思っている。
明日仙台に行く。何か得られればと思う。